耳よりだより

2022年07月25日

認知症予防にも効果が期待!腸内環境を整える「腸活」で、いつまでも若々しく健康に

「腸活」という言葉をご存知でしょうか。腸内には体の免疫機能を担う免疫細胞の7割が存在し、「腸管免疫」と呼ばれる免疫システムをつくっています。腸活は、そうした腸内の状態を良好に保つことで、免疫機能の向上をめざすもの。もともとは便秘や下痢の解消や、美肌やダイエットなどに効果があるものとして広まっていましたが、最近では細胞の若返りや、認知症予防にも効果が期待できると高齢の方からも注目されています。そんな腸活を、健康で長生きするための習慣として始めてみませんか。



◆善玉菌を含む食品を積極的に摂る

腸内に存在する免疫細胞は、良質な腸内細菌によって強化されます。なかでも重要なのが、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌。善玉菌は糖分や食物繊維を主な食べ物としており、便秘や下痢の予防・改善、肌トラブルの解消、さらに発がん物質を発生する悪玉菌の働きを抑えてくれます。善玉菌を増やすには、ヨーグルトやチーズ、乳酸菌飲料などの動物性食品、納豆や漬物、味噌などの発酵食品を積極的に摂りましょう。

ヨーグルトは、バナナ、パイナップル、リンゴなどの果物と組み合わせると、善玉菌がさらに増え、免疫力のアップが期待できます。ほかにも、キノコ類、豆類、ごぼう、大麦など食物繊維を多く含むもの、玉ねぎ、ニンニク、ねぎ、大豆などオリゴ糖を多く含むものを積極的に摂ることで、善玉菌を増やすことができます。



◆認知症の発症に腸内細菌が関係している!?

腸の不調は認知症の発症にも関わりがあるといわれています。

最近の研究では脳と腸の密接な関係が解明されつつあり、国立長寿医療研究センター によると、軽度の認知障害は腸内細菌と関連し、高齢の認知症患者には「バクテロイデス」という腸内細菌が少ないとの研究結果が報告されています。

バクテロイデスは、食べ物や体調によって悪玉にも善玉にも傾く日和見(ひよりみ)菌の一種ですが、腸の免疫などにおいて重要な働きがあることがわかっています。

腸内の細菌と認知症発症の因果関係についてはまだ研究段階にあるようですが、乳酸菌やビフィズス菌を摂ることで認知機能が改善したとの報告もあるそうで、腸と脳の健康を保つためには、まずは善玉菌の摂取を意識した食生活を送ることが重要だといえます

 



◆生活リズムを整え、適度な運動を習慣に

腸活を行う上では、食事以外にも、規則正しい生活や、適度な運動も大切です。不規則な生活は腸内環境の乱れにつながるため、十分な睡眠時間を確保し、ゆっくり入浴するなどして、ストレスを溜めないよう心がけましょう。また、適度な運動は自律神経を整え、腸の働きを活発にします。毎日30分程度のウォーキングや、簡単なストレッチを毎朝晩行うだけでも、腸内環境の改善が期待できます。

 

<腸を鍛える簡単ストレッチ>

座ったままでできる振り返りストレッチ

椅子に浅めに座り、脚を肩幅ぐらいに広げる。

足の裏を床につけ、息を大きく吐きながらゆっくり後ろを振り返り、両手で背もたれをつかむ。

その姿勢のまま2~3回呼吸し、元の姿勢に戻る(左右交互に3セット)。




腸の健康は肌の状態でも知ることができ、肌の色・つやがよく張りのある人は、腸も若くて健康だといいます。そんな腸の健康を保つための腸活は、一次的ではなく、継続することが大切です。自分に合った方法で無理なく続けながら、いつまでも若々しく健やかに日々過ごしていきたいですね。