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介護保険はどう変わる?2015年介護保険改正5つのポイント

2025年には団塊の世代が75歳以上となるなど、介護を必要とされる高齢者数が今後ますます増加していきます。高齢者の増加を見据えて、2014年6月、介護保険にかかわる「医療介護総合確保推進法」が公布されました。この制度では、2015年からの介護保険の一部、給付額の縮小、市区町村が行う地域支援事業の重要性の高まりなど、大きな見直しが行われています。


 

今後の介護保険制度はどう変わるのでしょうか。主なポイントをご紹介。

(1)低所得者の保険料軽減を拡充(2015年4月から)
65歳以上の高齢者が納める介護保険料は市町村によって基準額が異なりますが、これまでは収入の順に1~6段階で保険料が設定される仕組みになっていました。これを、さらに細かく9段階に区分を細分化し、新第1段階の低所得の方は保険料負担の軽減割合が5割から7割に拡大、一方、高所得の方は段階に合わせて加算割合が上がることになります。

(2)一定以上の所得がある方の利用者負担の増加(2015年8月から)
現在、介護保険の利用者負担は一律でサービス利用額の1割負担となっています。 (例えば、入浴や排泄のお世話など、身体介護を30分以上1時間未満ご利用の場合、サービス費用4千~5千円程度のうち、ご利用者の負担はその1割の400~500円程度です)。一定以上の所得(単身の場合、年金収入に換算すると280万円以上※)がある方は、この利用者負担が2割負担に引き上げられます。※:最終的には政令で定められる予定。

(3)特別養護老人ホームの入所基準が原則「要介護3」以上の方に (2015年4月から2017年度まで段階的に)
特別養護老人ホーム(特養)は、これまでは要介護1の方から入所することができましたが、2015年4月からは、原則として、より介護の必要性の高い「要介護3」以上の方に限定されます。※対象は新規に入所される方となるため、現在入所されている要介護1~2の方はそのまま継続して入所が可能です。

(4)「要支援」のサポートが市町村へ(2015年4月から順次)
これまで全国一律の基準に基づき、介護事業者が提供していたサービス(例えば、食事や入浴などの支援)が、地域の事情に応じて、市区町村が中心となって行うサービスに変わります。このため市区町村ごとに、サービス内容や利用料に差が生じる可能性があります。一方、NPOやボランティアなどによるサービスも行われるようになり、介護事業者によるサービスから、元気な高齢者によるサービスまで、地域の実情に応じた多様なサービスを受けられるようになる、と考えられています。

(5)施設の食費や部屋代の補助認定も厳格化
(①は2015年8月から、②は2016年8月から)
特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所した場合、原則自己負担の食費や部屋代について、低所得の方はこれらの費用を軽減される仕組みがありますが、その仕組みを利用できる認定基準が厳しくなります。

①預貯金などが単身で1千万円超、夫婦で2千万円超ある場合は対象外。
②非課税所得とみなされている遺族年金や障害年金も課税扱いの所得と仮定して判定される


 

●この他にも、さまざまな改正が行われていますので、チェックしてみてください。
(厚生労働省HP:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000032987.pdf