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いまさら聞けない!? 介護保険制度のキソのキモ1:介護保険って何?

介護の負担を社会全体で支え合うため、2000年4月1日に施行された介護保険制度。ただ、スタートして10年以上経つものの、内容が複雑でいまひとつわからない・・・という人も多いかもしれません。ここでは、いまさら聞きにくいという人のために、介護保険制度の基礎についてシリーズでご説明します。


 

第1回 介護保険って何?

<そもそも介護保険とは?>
介護保険とは、少子高齢化社会への対策として、介護の負担を個人ではなく社会全体で支える仕組みを作ろうと、2000年からスタートした制度で。その後も、社会情勢に合わせて3年に1度の見直しが行われております。介護保険の基本的な考えであり、自立支援を基本とすることは変わっていません。

●介護保険制度の在り方

1.選別的・救貧的福祉から、一般的・普遍的福祉へ
介護保険制度は、被保険者の皆さまの保険料にて運営する社会保険方式を取り入れた制度です。介護保険制度は、身寄りがない人や経済的に貧しい人等が税金を財源として「お世話になる」という福祉ではなく、保険料を支払うことにより「利用する権利」の制度へと変わりました。

2.施設福祉中心から、在宅福祉中心へ
介護保険制度には、大きく分けて施設サービスと居宅サービスの2種類があります。施設サービスは「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の3つしかありません。それに対して、居宅サービスは約12のサービスがあります。介護保険制度は、施設での集団介護を推進するものではなく、個別性を重視し、最期まで住み慣れた地域・自宅で生活することを趣旨としています。

3.受動的措置の福祉から、主体的選択の福祉へ
1で述べたように、社会保険方式である介護保険制度は、利用する権利を有した被保険者がそのサービスを利用したいと思った時に、介護認定を受けてサービスを利用するシステムです。利用者が事業者と個人的に契約を交わしてサービスを受けることができます。サービスの必要性や提供する事業者等を決めるのは利用者本人です。

4.公共行政による画一的サービス供給から、公私協働による多元的サービス供給へ
介護保険制度は、2で述べたように多くの在宅サービスがあります。施設サービスの運営主体社会福祉法人や医療法人ですが、居宅サービスには営利法人も参入しており多くの企業が、その事業を行っています。その結果、多くの企業(事業者)のサービスを利用者が選択できるシステムとなっています。

5.中央集権的福祉から、地方分権的福祉へ
介護保険制度は、その運営主体を市町村としています(一部の地域では広域連合として運営されています)。地域の特性を活かしたサービスが展開できるよう、最小の地方自治体が主体となって、地域支援事業が実施されています。

★ 「地域包括ケアシステム」を重視 ★
たびたび改正されてきた介護保険制度ですが、2012年度からは「地域包括ケアシステム」の構築に重きを置かれるようになりました。地域包括ケアシステムとは、市町村単位よりも小さな片道30分の範囲を圏域として、高齢者が住み慣れた地域で暮らしていけるよう介護保険のサービスや市町村の状況に合わせた様々な事業、そして地域における様々な社会資源等をトータルに支援するための仕組みです。具体的には在宅医療や訪問介護、日常的な生活支援などに携わる機関が、利用者に対して、一体的にサービスを提供するものです。このシステムが目指すのは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援であり、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最期まで続けることができるというものです。

★ 介護保険の利用者は2種類に分かれる ★
介護保険制度は、先に述べたように被保険者の保険料をもとに社会保険方式で運営されている制度であり、保険料を納付していることが利用の条件となっています。(保険料の納付が困難な場合や生活保護を受給されている場合などは別条件になります)。介護保険を利用できる人は下記の2種類のどちらかに該当する方です。

①第1号被保険者
65歳以上の高齢者(市内に在住している高齢者)
②第2号被保険者
40歳から65歳未満で、医療保険加入者。利用に当たっては、介護(支援)認定の
主たる原因が下記表の特定疾病(16種類)に該当する方。

《厚生労働省が認める特定疾病(16種類)一覧表》
①がん末期(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
②関節リウマチ
③筋萎縮性側索硬化症
④後縦靭帯骨化症
⑤骨折を伴う骨粗しょう症
⑥初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
⑧脊髄小脳変性症(ウェルナー症候群等)
⑨脊柱管狭窄症
⑩早老症
⑪多系統萎縮症
⑫糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑬脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
⑭閉塞性動脈硬化症
⑮慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
⑯両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
 


 

次回は、「介護認定されるにはどんな手続きがいるの?」をお送りします。