寝たきりを防ぎ、いつまでも元気でいるために 「健康寿命」の延ばし方
「人生100年時代」といわれるようなりました。
厚労省の2018年データでは、女性の平均寿命は87.32歳、男性は81.25歳で、日本人のさらなる長寿化が予測されます。
一方で自立した生活が送れる「健康寿命」は、平均寿命より男性で約9年、女性で約12年短いことがわかっています。
これは、この期間に医療や介護が必要となる可能性があることを意味しています。
ではいつまでも健康でいるためにはどうすればいいのでしょうか。ここではその秘訣をご紹介します。
健康寿命を延ばす対策とは?
健康寿命とは日常的に介護を必要とせず暮らせる期間。
健康寿命が尽きると本人が病気などにより苦しい思いをするだけでなく、看病や介護をする家族にも負担をかけてしまいます。
医療や介護にかかる費用負担も大きくなり、65歳以上の人を支える現役世代の負担もますます増大することが予測されています。
暴飲暴食、運動・睡眠の不足、喫煙、ストレスなど、生活習慣の乱れは健康寿命を縮める大きな要因。
平均寿命と健康寿命の差を埋めるには、まずは生活習慣病の予防や改善に取り組むことが先決です。
また、骨や関節、筋肉などの機能の衰えも、要介護になるリスクを高めます。
予防のためには1日10~30分のウォーキングなど、適度な運動を習慣化させましょう。
趣味や旅行を楽しんだり、地域の集いやサークルに積極的に参加するなど、活動範囲を広げることも健康寿命を延ばすことに大いに効果があります。
ロコモ予防で健康寿命を延ばそう!
ロコモティブシンドローム(運動器症候群:通称ロコモ)とは、加齢に伴う筋力の低下や、関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより、日常生活に障害をきたしている状態のこと。
進行すると要介護や寝たきりになるリスクが高まります。
予防のためには日々の運動とともに、骨や筋肉を作るためのバランスの良い食事を心がけましょう。
【毎日の習慣にしたい! 簡単ロコトレ】
その1/バランス能力をつける「片脚立ち」
1:机か椅子につかまり、床につかない程度に片脚を上げます。
2:左右1分ずつ、1日3回行いましょう。
Point! 姿勢をまっすぐにしながら行いましょう。
その2/下肢筋力をつける「スクワット」
1:肩幅より少し広めに脚を広げ、つま先を30度くらいに開いて立ちます。
2:膝がつま先より前に出ないよう、脚の人差し指の方向に向くよう注意して、椅子に腰かけるようにお尻をゆっくり下ろします。
3:深呼吸するペースで5~6回、1日3回行いましょう。
Point! 動作中は息を止めず、膝が90度以上曲がらないよう注意。
太ももの前や後ろの筋肉にしっかり力が入っているか意識しながら行いましょう。
(スクワットができないときは、椅子に腰かけ机に手をついて、立ち座りの動作を繰り返しましょう)
認知症予防のための運動「コグニサイズ」にチャレンジ!
コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した、運動に計算やしりとりなど認知課題を組み合わせた学習併行型運動です。
運動で体の健康を促すと同時に脳の活動を活発にすることで、認知症予防に役立てます。
その1/足の横移動と引き算エクササイズ
脚を左右交互に一歩ずつ横に移動させる運動をしながら、100から3ずつ引く引き算を行います。
引く数字を変えたり足し算にしたり、他の運動に変えるなど変化をつけながら行うといいでしょう。
その2/ウォーキングしりとり
しりとりしながらウォーキング。
しりとりを計算や川柳を交えてもOK、ご夫婦やグループで楽しみながら行いましょう。
Point! 普段より大股で歩きましょう。
生涯を通じ健康に過ごしていくためには、元気なうちにいかに健康管理に励むかがポイントになります。
日々健康に留意し、セルフケアを習慣化させながら、さらなる健康長寿をめざしていきましょう。