免疫力を高めてウイルスに負けない体をつくる
免疫力が高いと病気にかかりにくくなるといわれています。
生活習慣を見直し、免疫力を高める工夫を行うことで、ウイルスに負けない体づくりを始めてみませんか。
◆そもそも「免疫」とは?
免疫とは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を取り除いてくれる自己防御システムのことで、自然免疫と獲得免疫の2種類があります。
●自然免疫は、
生まれながらに体内に備わっているもので、身体のなかに異物(抗原)が侵入してくると、すぐに抗体を作って攻撃してくれます。
●獲得免疫は、
自然免疫で取り逃がした抗原でも、再び体内に侵入した場合、すでに記憶している免疫が反応し、感染を防いだり症状を軽くしてくれます。
一度かかると二度目はかかりにくくなる麻疹や風疹などの感染症はこうした獲得免疫の働きによるものです。
◆免疫力はなぜ低下するの?
免疫力は加齢に伴い低下し、20歳前後を境に40代でピーク時の50%、70代では10%まで低下するといわれています。
ほかにも、食生活の偏りやストレス、疲労、睡眠不足、運動不足、喫煙、過度の飲酒が免疫力低下の原因であることがわかっています。
◆免疫力アップ、ここがポイント
免疫力は生活習慣の改善により向上させることが可能です。
免疫力をアップさせるために、次のようなことを習慣化させましょう。
その1 バランスのいい食事でアップ
バランスのいい食事、特にタンパク質とビタミン、ミネラルは免疫力を維持するために不可欠です。
さらに高齢者の場合、量をしっかり摂ることも大切。
食べる量が減り痩せていくと、免疫力が低下し、要介護のリスクを高めてしまいます。
食事の内容はもちろん、体重の維持管理にも意識を持ちましょう。
その2 腸内環境を整えてアップ
免疫細胞の60%~70%は腸にあるといわれており、免疫力を上げるには腸内バランスを整え、
善玉菌を増やすことが大切です。
ビフィズス菌・乳酸菌を含む発酵食品(ヨーグルト・納豆など)や、
オリゴ糖や食物繊維を多く含む野菜や豆類、果物類を積極的に摂ることで腸内の善玉菌を増やしましょう。
その3 睡眠の質を向上してアップ
免疫力は睡眠中に強化されます。質の良い睡眠を取るためには、
①寝る時間と起きる時間を一定にする
②就寝前の飲酒やタバコ、携帯電話やパソコンは控える
③朝食は必ず食べ、夕食は寝る2~3時間前までにすませる
④朝起きたら太陽の光を浴びる
などを習慣化させましょう。
その4 体温を上げてアップ
体温が1度下がると免疫力は30%落ちるといわれます。
お風呂では湯船に浸かる、靴下や膝掛けを活用する、温かい飲み物を飲む、など
体を冷やさない工夫をしましょう。
1日1回、体温を測定する習慣も、免疫の状態を知る手がかりになります。
その5 ストレスを上手に解消してアップ
強いストレスは免疫力低下の大きな原因。
人と会話する、趣味を楽しむ、動物とふれあう、深呼吸をするなどストレスを抱え込まない工夫に努めましょう。
笑うこともNK細胞(免疫細胞)を活性化させるのに効果的。
口角を上げ、声を出して笑うなど、たとえ作り笑いでも効果が期待できるのでお試しを。
その6 適度な運動をしてアップ
ウォーキングなどの有酸素運動は免疫力を高めるのに有効。
戸外に出にくい場合は、自宅でスクワット等の軽いストレッチを行うなど、日々の運動を習慣にしましょう。
ステイホームによって生活リズムに変調をきたし、いまなお不自由で不安な日々を過ごされている方は
少なくないことでしょう。免疫力アップを意識する生活で、快適で健康的な毎日を過ごしましょう。